健康、ダイエットのために運動は大切ですが、どんな運動をすべきかっていうのは悩むところだと思います。もちろん、各個人のできる無理のない範囲で行うのが前提ですが、目的に合った運動をするっていうのは大事じゃないでしょうか。
てなわけで今回は体重減少や維持など、目的に合った運動と強度をまとめてくれた文献です。
この文献は、ヨーロッパ全土の専門家グループが実施した7つのシステマティックレビューに基づいてエビデンスを統合し、身体活動の推奨事項を提示。さらに、その推奨度をランク分けしており、A~Eのグレードで表現しています。
目的別の運動タイプと強度
結果は以下の通り、今回はグレードA(推奨度がとても高い)のものに絞って紹介します。
| 目的 | 運動タイプと強度 | 補足 |
| 体重および総体脂肪の減少 | 中強度の有酸素運動 | 予想される平均体重減少は2〜3 kg以下 |
| 内臓脂肪および 肝内脂肪の減少 | 中強度の有酸素運動 | 筋トレには内臓脂肪などを減少させる効果なし |
| 体重減少中の 除脂肪体重の維持 | 中~高強度の筋トレ | 有酸素運動単体は除脂肪体重の維持に関与なし |
| インスリン感受性の改善 | あらゆる種類の運動トレーニング(有酸素、筋トレ、複合、HIITなど) | 2型糖尿病の有無にかかわらず、過体重または肥満の成人グループのインスリン感受性を改善 |
| 血圧の改善 | 中強度の有酸素運動 | 高血圧の有無にかかわらず、収縮期血圧を平均約3 mmHg、拡張期血圧を平均約2 mmHg減少 |
| 心肺機能の向上 | あらゆる種類の運動トレーニング(有酸素、筋トレ、複合、HIITなど) | 運動を行わない場合と比較してVO2maxを向上 |
| 筋力の向上 | 筋トレ単独、もしくは有酸素トレーニングとの複合 | 有酸素運動単体は筋力の向上には関与なし |
各運動の強度についてですが、
中強度の有酸素運動は最大心拍数の50%〜70%程度の運動(ウォーキング、軽いジョギング等)
中強度の筋トレは1回反復最大重量(1RM)の60%超として定義されています。高強度については明記されていませんが、1RMの80%程度と考えておけばよいでしょう。
また、HIITについても特に記載はないですが、高強度の運動と休憩を短いインターバルで繰り返すものという認識が一般的です。詳しい方法などはまた別の記事で触れようと思います。
何を目的とするかを考える
表をみてわかる通り、体重や脂肪の減少には筋トレよりも有酸素の方が効果的ですし、筋肉の維持向上のためには当たり前ですが筋トレをしなければいけません。なのでまずは自分がダイエットをしたいのか、筋肉を付けたいのか、健康診断の数値改善をしたいのかを考える必要がありそうです。
また本文献では基本的にどの運動をするにしても、ある程度の食事制限を同時に行うことを推奨しています。食事制限と組み合わせることで、設定した目的をより早く達成できるらしいのでやはり食事の改善は必須ですね~。


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