前回の投稿で運動と組み合わせた場合、どの食事法がダイエットに向いてるんだってことを見ていったわけなんですが、そこでは脂質制限については触れられてませんでした。
私の中では脂質制限はメジャーな方法だと思ってたので、ちょっと調べてみることにしました。今回は脂質制限がメインのお話です。
今回の論文はどちらもメタ分析でそれぞれ以下のような内容です。
どちらも「低炭水化物(Low-Carb: LC)」、「低脂肪(Low-Fat: LF)」の食事法の比較を行っています。
(1)研究対象は合計6,499人、研究期間は1ヶ月から24ヶ月で1〜3ヶ月、3〜6ヶ月、6〜12ヶ月、12ヶ月超に層別化して分析された。
(2)研究対象は合計68,128人、1年以上の体重変化を報告していることが必要条件。
体重減少において有力なのはどちらの食事法なのか
では二つの論文から、糖質制限(LC)と脂質制限(LF)はどちらのほうが体重減少の面で優秀か見ていきましょう。
• 短〜中期(6~12か月)ではLCが優位
• 長期(1年以上)での差は不明確
• LFは通常の食事(特に制限のない食事)と比較した場合のみ優位に体重減少
1年以上の期間では食事法をきちんと守れなくなるなどできちんとしたデータは取れなかったみたいです。どんなダイエットでも一年同じように続けること自体が相当難しいでしょうし、しょうがないですね。
体重減少の面ではLFもやらないよりはよさそうですが、どうせやるならLCを行ったほうがよさそう。
脂質プロファイルへの影響
体重減少とは関係ないですが、論文の中では脂質プロファイルへの影響に言及されていたのでまとめておきます。脂質プロファイルとは、血液中に含まれる総コレステロール、LDL(悪玉)コレステロール、HDL(善玉)コレステロール、中性脂肪(トリグリセリド)の値などをまとめて評価する検査結果のことを指すそうです。
| 低炭水化物(LC)の影響 | 低脂肪(LF)の影響 | |
| HDL(善玉) | 増加 (6–12ヶ月で有意な増加) | LCと比較して低い |
| LDL(悪玉) | 増加 (6–12ヶ月で上昇) | 減少 (LCと比較して有利) |
| TG(中性脂肪) | 減少 (6–12ヶ月で有意な減少) | 炭水化物の過剰摂取により、増加する可能性あり |
| 総コレステロール | 増加 (6–12ヶ月で上昇) | 減少 (LCと比較して有利) |
LCは長期的にみるとLDL、総コレステロールが増加する傾向にあり、LFは中性脂肪の増加の可能性があるという結果でした、それぞれのメリットデメリットがあり、どちらの方がいいとは断定できないため、バランスをとることが大事だと言われています。
コレステロールの増減について、食品の質(精製された炭水化物や砂糖入り飲料、飽和脂肪酸)は考慮されていなかったと記載があるので、加工度の高い食品を除けば結果が変わる可能性はありそうですね。
さて、今回の研究ではLC、LFどちらにもメリットデメリットがあるよーという結果でした。
体重減少についてはLCの方がよいみたいですが、どちらを選択してもある程度の体重減少は見込めそうなので体と相談しながらやってみてください。


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