ダイエットにおいて食事・運動を正しく行うことは大切ですが、実は睡眠も大事だったりします。
睡眠時間の減少が体重増加の原因になっているかどうかは意見が分かれるところですが、今回は部分睡眠制限(Partial Sleep Deprivation: PSD)(National Sleep Foundationの推奨する7〜9時間を下回る睡眠)がエネルギーバランスにどのような影響を与えるかを調査したメタ分析を紹介します。
睡眠不足が与える影響
このレビューでは、合計17の研究(参加者 n=496)が対象となり、そのうち11の研究(n=172)のデータが定量的に統合されました。
分析の結果、部分睡眠制限(PSD)を経験した後、参加者のエネルギー摂取量(EI)は、通常の睡眠をとった対照条件と比較して、有意に385 kcalも増加していることが判明したそう。
エネルギー消費量(EE)や安静時代謝率(RMR)は変化しなかったとのことなので、単純に摂取カロリーが増加しただけという結果になっています。
摂取カロリーが増える原因
過去の研究では食欲を調整するホルモン(レプチンやグレリン)の調節不全が原因である可能性があると言われていました。しかし、このレビューでは短い睡眠時間によって、食べ物、特に報酬に関連する脳領域の神経活動が活性化され、食べ物を報酬として求める動機が高まる可能性が高いと説明されています。どちらにせよ、睡眠不足によって食欲が無駄に沸いてしまうってことは間違いなさそうです。
また、食事内容にも変化があったみたいで、睡眠不足の状態だと脂質摂取量が増加しタンパク質の摂取量が減少したと報告されてます。つまり、より脂質の高い食品を摂取するようになるってことですね。
睡眠の重要性
このレビューの知見は、主に厳密に管理された実験室環境下で、短期間(ほとんどが1週間未満、最長で2週間)の非常に制限的な睡眠スケジュール(例えば、4時間睡眠など)で実施された研究に基づいているそう。期間は短いですが、ほとんどの研究で同様の摂取カロリーの増加を示す結果となっており、信頼度は非常に高いです。
食事の質も悪化するみたいなのでむしろ運動よりも優先して改善したいところ。とはいえ、そもそも睡眠の質が悪いせいで睡眠時間が確保できない、みたいなこともありそうなので睡眠の質をどうやってよくするかっていうのも今後調べてみようかなと思います。


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